ディスパッチクレーマーレポートケア編(2011年11月号)
質問者:アメリカンフットボール 27歳 男性

太腿の裏が張りやすく悩んでいます。しっかりとストレッチはしているつもりですが、あまり効果がないような気がします。何か効果的な対策があれば教えてください。宜しくお願いします。
太腿の裏(以下ハムストリングス)の張りで悩んでいる選手は多くいるようですが、症状が悪化すると肉離れの原因にもなりかねないので注意が必要です。さて、ご質問の件ですが、ハムストリングスのストレッチはしっかりと行っているということを前提にアドバイスさせていただきます。

太腿の前面(大腿直筋)と後面(ハムストリングス)は腰の骨を介して牽引し合う(図1)ような関係にあります。前面と後面のどちらかが緊張しすぎると反対側を牽引し新たな緊張(張り)を作り出す原因になってしまいます。ですから張りを感じる面だけをストレッチするのではなく、反対側もしっかりストレッチするようにしなければなりません。また、今回紹介するストレッチは静的ストレッチなので、必ずプリパレーションタイム(2011.1号参照)の一環として位置付けて、ダイナミックフレキシビリティで筋温を高めてから実施するようにしましょう。

1.立った状態で行う大腿前面のストレッチです。身体の中心よりも膝が後方に位置するようにしましょう。曲げている膝が身体の中心から離れすぎないように注意しましょう(写真1)。
 
2.横になって大腿前面をストレッチします。足首を持ち膝が身体の線よりも後方に位置するように引っ張ります(写真2)。

3.両脚を前後に大きく開き片膝を立てます。上半身を起こし腰を降ろし後方の太腿の前面をストレッチします(写真3-基本)。足首に手を掛けて牽引することで、より大きく膝を曲げストレッチ効果を高めることができます(写真3-応用)。

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今回紹介したストレッチは、直接的にハムストリングスをストレッチするものではなく、通常のハムストリングスのストレッチと組み合わせて行うことで、大腿部の筋肉の張りのバランスを整えることを目的にしています。通常のハムストリングスのストレッチだけでは効果がない場合にぜひお試しください。