梅雨に入り雨の日が多くなると、屋外スポーツのほとんどが外での練習ができなくなります。毎日ハードな練習を行っている人は、休息日として体のケアを行うのもよいかもしれませんが、「雨の日でもトレーニングを続けたい」、「屋内トレーニングでは基礎体力をしっかりと伸ばしたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、屋内でスペースを確保することが難しい時でも手軽にできる、スクーターボード1つで行うサーキットトレーニングをご紹介します。
「サーキットトレーニング」では、異なる種目のエクササイズを複数(6〜8種類)組み合わせ、連続して行うことで、全身の筋力や持久力などをバランス良く鍛えることができます。体幹には姿勢を保持するだけではなく、力の発揮や力の伝達を行う役割があります。今回紹介するエクササイズではこれらの機能を向上させることを目指します。
トレーニング実践
・①〜⑥の一連のエクササイズを1セットとカウントし、2〜3セット行いましょう。
・各エクササイズ間の休憩は10〜15秒(息が整う程度)を目安とし、セット間の休憩は1〜3分を目安にとりましょう。※エクササイズ間の休憩は短い方が効果的ですが、選手の疲労度を観察しながら設定してください。
・まずは正しい姿勢、フォームで行うことを心がけ、徐々に回数やセット数を変えていきましょう。※各エクササイズを反復回数ではなく時間(30秒ずつ)で区切っても効果的です。
・正しく器具を使って安全にトレーニングを行いましょう。(下記スクーターボード使用上の注意点を必ずお読みください。)
①体幹と股関節のエクササイズ(3〜5回)
1) エルボー・トゥー(肘とつま先)の姿勢で体を支え、片膝をボードに乗せます。
(膝が痛い時はタオルなどを敷きましょう。)
2) 頭からかかとまで真っすぐの姿勢を維持したまま、ボードに乗せている膝を体の横に開いて、元の姿勢に戻ります。腰が開いたり、お尻が浮いたりしないように注意しましょう。
②体幹と肩関節のエクササイズ(3〜5回)
1) エルボー・トゥーの姿勢で体を支え、片手はボードの上に乗せます。
2) 姿勢を維持したまま、ボードに乗せた手を上から横に円を描くように動かします。
③体幹と下半身の安定性のエクササイズ(3〜5回)
1) 腕立ての姿勢でスクーターボードに足を乗せます。
2) 姿勢を保ちながら両膝を胸方向に引き寄せ、元の姿勢に戻ります。姿勢のバランスを崩さないように注意しましょう。
④体幹とハムストリングスのエクササイズ(3〜5回)
1) 両足のかかとをボードに乗せ、体を真っすぐに伸ばした姿勢で準備します。
2) かかとをお尻に引き寄せながら腰を浮かせ、元の姿勢に戻ります。膝の角度は90˚を目安に行いましょう。膝を曲げすぎてしまうと元の姿勢に戻りづらくなります。
⑤体幹と上半身のエクササイズ(3往復)
1) 1m〜1.5m間隔でマーカーコーンを設置します。
2) スクーターボードに座り、背中を真っすぐにして、足は地面から浮かせます。
3) 姿勢を保持したまま手で歩くようにコーン間を移動します。前に進んだり、後ろに進んだり様々な方向に移動してみましょう。
⑥体幹と腹筋群のエクササイズ(3〜5回)
1) 両手でスクーターボードを持ち、体を真っすぐに伸ばした姿勢で準備します。
2) 膝を曲げながらボードを膝へ引き寄せ、元の姿勢に戻ります。
スクーターボード
スクーターボードは、体幹の強化や、リハビリ、股関節の柔軟性のトレーニングなどに効果的なトレーニング器具です。スクーターボードを持つときは、ガードの内側に手を入れてボード本体を持ちます。外側のガードを握ってしまうと、床とボードで指を挟んだり、他のプレーヤーと接触した際に指を挟む原因となります。
スクーターボードの立ち乗りは危険です。ボードから転がりそうになった時は速やかに手を離し、自分の体を守りましょう。器具の特性上、タイヤが転がりすぎて関節や筋肉を傷めてしまう恐れがあります。適切な可動域、無理の無い動作で行いましょう。