最近では、身体づくりのために食事や栄養学が重要な役割を持つことを意識するアスリートや保護者の方々が増えています。しかし、アスリートに必要な栄養素は? と聞くと、「糖質」や「たんぱく質」を真っ先に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。今回は身体で重要な役割をもつ「ビタミン」について紹介します。
お弁当や普段の食事にもう1品! 意外と難しいビタミンの摂取を助ける「ビタミンたっぷりレシピ」もぜひお試しください。
アスリートに欠かせないビタミン
ビタミンの定義は、「体内でつくることができない有機物」であり、食品から摂取する必要があります。ビタミンには身体のメンテナンスをする役割があるため、トレーニングによって身体づくりをするアスリートには欠かせない栄養素です。ビタミンは大きく分けて、水に溶ける水溶性と、脂に溶ける脂溶性の2種類があります。
2種類のビタミンと調理のポイント
水溶性ビタミンには、ビタミンB群とビタミンCが挙げられます。水溶性ビタミンは水に溶けやすいので、特に野菜は長時間コトコト煮るよりも、短時間で加熱する、蒸す、または生で食べるとよいでしょう。
脂溶性ビタミンには、ビタミンD・A・K・Eが挙げられます。「4つだけ」と覚えてください。脂溶性ビタミンは油に溶けやすいため、調理の際に油を使用すると吸収を助けることができます。
水溶性ビタミンの「ビタミンB群」とは?
ビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、葉酸、B12、ビオチン、パントテン酸の8種類とされています。
ビタミンB2
脂肪が燃焼する時に使われ、脂質の代謝には不可欠です。長時間運動を行う選手はより積極的に摂取する必要があります。不足をすると口内炎などの症状がみられます。
ビタミンB6
食品中のたんぱく質を分解し、身体のたんぱく質を合成する過程で必要となります。肉を好む、プロテインを多用している選手は欠乏をする可能性があります。
ビタミンB2 | 卵(1個 0.22mg) 牛乳(コップ1杯 0.27mg) |
ビタミンB6 | カツオ(刺身5切れ 0.61mg) さんま(1尾 0.51mg) 鶏ささみ(1回量 0.48mg) |
脂溶性ビタミンは4つだけ(D・A・K・E)
ビタミンD
カルシウムの吸収をサポートし、丈夫な骨の形成を促します。また、筋力を高める働きがあります。
ビタミンA
不足をすると風邪などの細菌感染に対する抵抗力の低下や皮膚のかさつきなどが生じます。
ビタミンK
ビタミンDにより吸収されたカルシウムを骨に取り込むのを助けます。
ビタミンE
細胞の酸化を防ぐ(抗酸化作用)、血液の流れをよくする働きがあります。
ビタミンD | 鮭(1切れ 25.6µg) 干しシイタケ(2個 1.0µg) |
ビタミンA | 人参(1/2本 608µg) かぼちゃ(1/8個 264µg) 豆苗(1/2パック 195µg) |
ビタミンK | 納豆(1パック 300µg) ほうれん草(1/4束 162µg) |
ビタミンE | アーモンド(10粒 2.9mg) かぼちゃ(1/8個 3.9mg) |
かぼちゃとさつま芋のサラダ
・かぼちゃ 1/8個(80g)
・さつま芋 1/8個(40g)
・塩、こしょう 少々
・アーモンド 10粒
・クリームチーズ 1個(20g)
・はちみつ 小さじ1
・牛乳 小さじ1
作り方
1.かぼちゃ、さつま芋はひと口大に切る。
2.鍋に水をはり、沸騰してから、かぼちゃとさつま芋を5分程茹でる。
(電子レンジで蒸してもOK)
3.アーモンドをポリ袋等に入れ、砕いておく。
4.クリームチーズを器に入れて混ぜ、なめらかにする。
5.4にはちみつ、牛乳を加えてのばす。
6.茹でたかぼちゃとさつま芋は水をきる。温かいうちに塩と
こしょうをふって下味をつけておき、フォークで粗くつぶす。
7.5のソースと6を混ぜ合わせたら完成!
クリームチーズの代わりに、水切りをしたヨーグルトを使ったり、甘いサラダが苦手な方は、カレーマヨネーズソースで和えるのはいかがでしょうか。
豆苗ともやしのナムル
・豆苗 1/2パック(40g)
・もやし 40g
・ツナ 20g
— 調味料 —
・しょうゆ 小さじ1/2
・ごま油 小さじ1/2
・おろしにんにく 小さじ1/2
・鶏ガラだしの素(顆粒) 小さじ1
・ごま 小さじ1
・塩、こしょう 少々
作り方
1.豆苗は根を切り落とし、2等分にする。
2.豆苗、もやしは電子レンジで1分加熱する。
(シリコンスチーマー、あるいは深いお皿にラップをする)
3.調味料を和えておく。
4.油切りをしたツナと加熱した豆苗、もやし、
調味料を和えたら完成!
豆苗はえんどう豆(グリンピース)の若菜です。安価で栄養価の高い食材のためオススメです。切り落とした根を水に浸して育てるともう一度収穫することができます。