これまでのディスパッチで、様々なトレーニング方法や器具を紹介してきました。目的にあったトレーニングを行い、効果を確認するためには、トレーニングの「評価」が重要となります。評価の目的としては以下のような点が挙げられます。
2.選手の課題を明らかにする
3.目的に合ったトレーニングが実施できているかを評価する
4.選手の動きやフォームを評価する
今回は、クイックフットラダーを使った「スラロームジャンプ」を例に、目的に合わせたラダートレーニングの方法と、フォームや動きの評価ポイントについて紹介します。
スラロームジャンプ
ジャンプ動作(爆発的パワー)のトレーニング
高くジャンプしながら、スラロームジャンプを行います。
[動画がご覧いただけます]
・接地時間(足が地面に着いている時間)
・姿勢(着地時の姿勢、空中での姿勢)
・タイミングのよい腕振り
方向転換動作のトレーニング
素早い方向転換を意識してスラロームジャンプを行います。体をコントロールするための「アジリティ能力」が必要となり、方向転換時のバランスやパワーポジションなど、スムーズでパワフルな方向転換につなげる動作が重要です。また、スポーツ傷害を誘発する動作の改善も必要です。
[動画がご覧いただけます]
・姿勢
・スムーズな動作
・膝とつま先の向き など
まずは、ゆっくりとした動作で、自分がコントロールしやすいスピードから行いましょう。一つひとつの動作を丁寧に行うことが重要です。
フットワークのトレーニング
速い動きを正確にコントロールしながら、スラロームジャンプを行います。ラダーを活用することで、ただ速い動きをするのではなく、動作の正確性や接地の仕方など神経系への刺激を与えることができます。
[動画がご覧いただけます]
・正確にマス目を移動できているか
・体の余計なブレはないか
・ブレーキ動作になっていないか
様々なステップワークのトレーニングやジャンプトレーニングなど幅広い用途があるラダーですが、一つのドリルだけでも、どのような能力を伸ばしたいかによって評価ポイントが異なります。目標とするパフォーマンスとの関連性を考慮することで、普段のトレーニングへの意識づけも変わってくるのではないでしょうか。また、トレーニング器具は体に様々な刺激を与えるツールとして活用できます。(ディスパッチVol.102 2015年10月号参照) 様々な動きにチャレンジをして、トレーニングを楽しむ手段としても活用していただければと思います。