いよいよ試合シーズンの到来ですね! 試合や遠征に備えて、チームで使用している救急バッグの準備は万全でしょうか。救急バッグは持っているけど、中身が揃っていない、使い方を知らない…ということがあっては意味がありません。ケガの応急処置や予防、再発防止を行うには、何を準備しておけばよいのでしょうか?
選手がケガをしてしまった時、素早く適切な応急処置を行うことで、症状の悪化を最小限に抑えることができます。また、その後病院に行った場合の対応がスムーズになり、短い期間で回復に向かうことができます。ケガの処置に必要な処置用品を常に備え、いざという時に使えるようにしておくことが大切です。今回は、スポーツの現場で発生しやすいケガに対しての処置方法を紹介しながら、処置用品の使い方を説明します。
救急バッグに必要なもの
トレーナーズテープ38mm
デニバン50mm
デニバン75mm
デニバンライト50mm
エラスチックテープ50/75mm
ソフトエラスチックテープ50/75mm
エコフレックステープ50mm
アンダーラップ
コールドスプレー(一時応急処置)
フレキシコールド(ゲル状アイスバッグ)
インスタントコールドパック
ダブルレンジラップ100mm
(バンテージ)
アイスバッグディスポ
(アイシング用ビニール袋)
スキンルーブ(ワセリン)
ホースシューパッド(U字パッド)
消毒液、カットバン各種
発生しやすいケガの処置方法(擦り傷、切り傷の場合)
消毒液、カット綿もしくは綿棒、スキンルーブ(ワセリン)もしくは傷軟膏、各種カットバン、テーピング類
(1) 傷の部分を水で洗浄します。水道がない場合は、消毒液または生理食塩水を使用します。汚れを取除いた後、スキンルーブ(ワセリン)もしくは傷軟膏をカット綿や綿棒で塗布します。
(2) 傷の大きさに合ったフィルム膜のついたカットバンを貼ります。
傷の観察のためにも、一日一回は交換しましょう。
(3) スポーツ時には、上からエコフレックス(自着性)テープでカバーすると良いでしょう。
発生しやすいケガの処置方法(足関節捻挫の場合)
氷とアイスバッグディスポ※1、ホースシューパッド(U字パッド)もしくはプロテクティブパッド、ダブルレンジラップ(バンテージ)、テーピング類
※1 もしくは、氷と氷のう、フレキシコールド、インスタントコールドパック
(1) 仰向けもしくは長座になり、足首の痛めた部位を確認します。
(2) その部位に広くアイスバッグ※2をあて、バンテージで圧迫します。
(3) 心臓よりも高く挙げて15〜20分のアイシングを行います。
(4) 終了後にホースシューパッド(U字パッド)をあて、再度バンテージで圧迫固定し、心臓よりも高く挙げて安静に保ちます。
※ アイスバッグディスポを使ったアイスバッグの作り方は、ディスパッチVol.89 2014年9月号参照
発生しやすいケガの処置方法(大腿部後面の筋挫傷(肉離れ)の場合)
フレキシコールド※3、プロテクティブパッド、
ダブルレンジラップ(バンテージ)、テーピング類
※3 もしくは、氷とアイスバッグディスポや氷のう、インスタントコールドパック
(1) うつ伏せになり、大腿部後面の痛めた部位を確認します。
(2) 痛めた側の膝を曲げ足を高くした体勢で、その部位に広くフレキシコールドをあて、バンテージで圧迫します。
(3) 15〜20分のアイシングを行います。
(4) 終了後に長丸型のプロテクティブパッドをあて、再度バンテージで圧迫固定し、安静に保ちます。
これらはどの競技でも多く起こりやすいケガです。ケガの症状が大きい場合、骨折の可能性がある場合は、応急処置を施した後、整形外科での診察を受けましょう。適切な応急処置がケガの回復を早めます。必要な処置用品を充実させて、救急バッグをさらに有効活用してください。
フレキシコールドを使用する時は、凍傷を防ぐために直接肌にあてないでください。タオルやバンテージで皮膚を覆ってからフレキシコールドをあてましょう。
また、内側に濡れたタオルや包帯をあてると浸透性が高まります。