「疲れが溜まってきたから疲労回復したい」「試合に向けてコンディションを整えたい」というとき、効果的な方法にマッサージがあります。しかし、マッサージを施すには、時間や場所、マッサージしてもらうパートナーを確保しなくてはなりません。
そこで今回は、自分でできる「セルフマッサージ」をご紹介します。自分の身体のことを一番良くわかるのは自分です。部位によっては適応できる限界はありますが、自分のタイミングで、必要な部位に、自分の力加減で行うことができるため、効果的ではないでしょうか。
最近ではセルフマッサージ用につくられた便利な器具もたくさんあります。また、テニスボールやゴルフボールなど、スポーツで使用されているものを代用して行うこともできます。
スポーツマッサージにおける生理学的効果をしっかりと理解し、自分の身体と会話しながら効果的なセルフマッサージを行いましょう。
マッサージの手法と効果
マッサージには大きく2つの手法があります。
1つめは、ゆっくりと深部に対して行う手法です。血流が高まることで血管内の老廃物が除去され、筋肉に柔軟性を与える効果があり、部分的または全身的に疲労を回復させると言われています。また、生理学的に鎮静効果が高まり、リラクゼーション効果が期待できます。
2つめは、リズムを早くして、さすったり振るわせたりしながら浅部に対して行う手法で、神経の興奮作用を高めながら血液循環を促すことを目的に行います。このマッサージは試合前や試合間に効果があります。部分的または全身的にだるさを与えないようにしながら行うことがポイントです。
マッサージを行ってはいけない場合
以下の状況にあてはまる場合は、マッサージを行ってはいけません。
突発的に起こったケガで炎症が起こる可能性が高い場合
2. 風邪や体調不良により、高熱がある場合
3. アレルギー反応があり、身体の循環を高めてはいけない場合
4. 神経が過敏な状態にあり、身体(筋肉)が萎縮してしまう場合
セルフマッサージの方法
今回は、市販されている器具やボール等を使用して行うセルフマッサージをいくつかご紹介します。自分の手や肘などでは届かない部分もマッサージすることができ、幅広い範囲を行えるので効果的です。マッサージをしすぎると「揉み返し」が起こる可能性が高くなります。強さは限定できませんが、1部位につき3〜5分程度が適切でしょう。
A)テニスボール
うつ伏せになり、ボールを腿の前から股関節に移動させながらほぐします。
肩甲骨の間にボールを置いて仰向けになり、肩を回しながらほぐします。
B)ゴルフボール
ゴルフボールを両手の平で挟んで転がしながら、手の平の筋肉群をほぐします。
ゴルフボールを反対側の手で転がしながら圧を加え、前腕の筋肉群をほぐします。
C)マッサージ用ポール(ランブルタイプ)
※筋肉の緊張を誘発してしまう場合は、凹凸の無いフラットタイプを使用してください
うつ伏せになり、股関節を外転外旋位にして、身体を左右に動かしながら、内転筋群をほぐします。
仰向けでマッサージをする側の脚を伸ばし、ふくらはぎの下を移動させながらほぐします。
D)マッサージ用ポール(フラットタイプ)
身体を横向きにし、上側の脚は立てて逆側にかかる圧を調節しながら、身体を前後に動かして下側の筋肉群をほぐします。
体育座りをして片脚を4の字にし、4の字にした側の臀部の下にポールを置き、前後に動かしながらほぐします。
E)マッサージ用ローラー
ローラーで大腿前に圧を加えながら転がして、まんべんなくほぐします。
ローラーで脛の筋群に圧を加えながら上下に動かして、まんべんなくほぐします。