新しい生活が始まり、しばらく休んでいた部活動をはりきって再開したとたんに「スネ」に沿ってうずくような痛みが… シーズンの始めや筋力不足の状態で過度な運動をしたときに起こりやすいとされるこのスネの痛みは「シンスプリント」と呼ばれるスポーツ傷害です。始めのうちは運動をやめると痛みは治まるため、我慢して無理を続けてしまう人も多いようですが、悪化すると日常生活動作の中でも痛みが出てくることもあります。痛みが発生する原因や予防法を覚えて、新しい環境での部活動を気持ちよくスタートさせましょう。
シンスプリントとは
ふくらはぎの内側や前外側に痛みが出る症状で、「
痛みが発生する原因
スネの周りには「
※1 足の指を曲げる筋群
※2 骨に付着している膜
足裏のアーチとの関連
シンスプリントが起こるメカニズムと大きく関係しているのが、足裏のアーチです。
足裏には3つのアーチがあり、運動をするときはもちろん、普段の生活の中でもとても重要な役割を果たしています。
石橋のアーチ構造と同じ原理で
大きな重量をしっかり支えます
役割2 バネの役割
重心の移動をスムーズにし
地面の蹴り出しをサポートします
役割3 クッションの役割
接地したときの衝撃を吸収・分散します
このアーチを支えているのが、足裏の筋肉や「後頸骨筋」です。特に「後頸骨筋」は内側縦アーチ(土踏まず)を形成するのに重要な筋肉で、アーチを持ち上げるように働いています。これらの筋力が不足していると、アーチを持ち上げられなくなり、ランニングの接地時に足関節が強く
アーチが落ちると、後頸骨筋の起始部が下へ引っ張られてしまい、そこに炎症が起きてしまいます。また、クッションがなくなることで衝撃が吸収できなくなり、筋肉や骨に大きなストレスがかかってしまうのです。
筋力不足、柔軟性不足、回内足や扁平足などの骨の配列の崩れ、またはフォーム不良のように、身体に原因がある場合(身体的要因)とは別に、練習環境や道具に原因がある場合(環境要因)も考えられます。硬いグラウンドや、ソールの薄いシューズでランニングやジャンプを繰り返すと、かかる衝撃は大きくなり、炎症も起こりやすくなります。また、選手の体力に対して、運動量が多すぎる環境もシンスプリントの要因となりうるため、新入生の運動量には特に配慮が必要です。
1.筋力不足
2.柔軟性不足
3.骨の配列の崩れ
4.フォーム不良
1.硬いグラウンド(アスファルトなど)
2.ソールの薄いシューズ
3.運動量の過多(選手の体力に対して)