梅雨の時期は天気がぐずつき、普段は屋外で練習をしているチームも屋内でトレーニングをする機会が増えるのではないでしょうか。屋内トレーニングと聞くと「地味なトレーニングが多い」というイメージが強く、中には「パフォーマンス向上に繋がらないのではないか」と、なかなかやる気を持って取り組めない人もいるかもしれません。
しかし、屋内トレーニングはパフォーマンス向上に欠かせない重要なトレーニングです。これから始まる夏の暑さに備えて、体力的な準備を整えておくためにも、この時期のトレーニングでしっかりと「土台」を作っておく必要があります。
今回は、屋内トレーニングを充実させるためのヒントとして、基礎体力を向上させるトレーニングをいくつかご紹介します。

トレーニング実践

基礎体力は、筋力や持久力など「力の発揮や持続に関わる要素」と、柔軟性やバランスなど「身体のコントロール能力に関わる要素」に大きく分類されます。
スポーツでは、力を発揮するだけでなく、身体をコントロールする能力も高く求められます。何となく種目をこなすのではなく、身体の使い方や正しい動作を意識して基礎的なトレーニングを行う必要があります。

(1)股関節の柔軟性を高めるトレーニング

a.両脚を開いて、身体の前に手をつきます。
b.脚を開いたまま、手を片手ずつ前から後ろ、後ろから前へと動かします。姿勢が崩れないようにバランスを維持しましょう。

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(2)瞬発力とバランスのトレーニング:リアクション&バランス

a.うつ伏せの姿勢から、笛や声の合図に反応して立ち上がります。
b.立ち上がったら片足でバランスをとります。

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(3)瞬発力とバランスのトレーニング:シザースジャンプ&ストップ

a.脚を前後に開いて、腰を落とします。前の膝がつま先より前に出ないように気をつけましょう。
b.両足で地面を押して勢い良く真上にジャンプし、空中で脚を入れ替えます。
c.バランスを崩さないようにピタッと着地をします。この時、上半身は地面に対して真っ直ぐに保ちます。前脚の膝がつま先より前に出ないように、着地時の姿勢に気をつけましょう。

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(4)筋力とバランスのトレーニング:ラテラルジャンプ&ストップ

a.片足でパワーポジションの姿勢を作り、支持足で地面を押して横方向へジャンプします。
b.空中で身体の向きを変え、バランスを崩さずに、もう片方の足で着地します。着地時に目線が下がって上体が倒れたり、頭が肩や膝のラインより前に出ないように注意しましょう。
※ジャンプの距離は、短い距離から徐々に伸ばしていきましょう。
また、遠くに跳ぶよりも、ジャンプの高さを意識することで、身体に正しい着地動作への準備をさせることができます。

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不安定な天気のために思うような練習ができないという状況はすべてのチームに共通して起こることです。その状況で、いかに質の高いトレーニングを行うかが、自分自身を高め、チームの勝利へのカギになるのではないでしょうか。基礎体力を高めるトレーニングは、単に身体を強くするということではなく、「スポーツの土台を作る」という意識を持って取り組みましょう。