アスリートのコンディショニングに食事は欠かせないものです。また、トップレベルの選手になるほど、コンディショニングのために、自分の食事を自分で調整する力(自己管理能力)が高いと言われています。ベストコンディションは、いつ、どこでも作り上げなければなりません。
今回は、食事に対する「自己管理能力」の向上を目指して、自らの食事を見直し、改善してみましょう。
STEP 1:セルフチェック
まずは、アスリートとしての基本の食生活が「習慣化」しているか、日々の食事内容を確認してみましょう。基本の食生活が習慣化していることで、日々の体調の変化に気づくことに繋がります。
※チェック方法:できている〇、できていない×、どちらともいえない△
STEP 2:モニタリング
コンディショニングを行う上での目標や、体調管理の目的を明確にした上で、日々の体重や体調を確認しましょう。
目標や目的とは、何を目指して食事をするかということです。例えば、ウエイトコントロール(体重を増量する、または減量する)、疲労回復、貧血改善、スポーツ障害(ケガ)の予防などが挙げられます。これらを明確にした上で、体重や体調を観察し、目標や目的に見合った取り組みができているかどうかをチェックします。
STEP 3:自分自身でできることを見つける
目標や目的は個々に異なりますが、いずれの場合も食事の基本形は変わりません。「STEP 1:セルフチェック」の結果から、できていない項目を1つでも多くクリアするために、自身で取り組めることを見つけ、実践してみましょう。
さらに、目標や目的に合わせて、より細かい食事内容を改善していきましょう。以前までのディスパッチの内容を振り返り、項目を追加してみてください。
例えば、増量が目的の場合は、<2・3・4・5・8>の項目の食事量を増加させ、貧血改善が目的の場合は、「週に1〜2回レバー料理を食べる」等の項目を追加して取り組みます。(ディスパッチVol.110 2016年6月号参照)また、「食事量を理解して調整できるようになること」、「調理方法をふまえた料理の選択ができるようになること」にも取り組むとさらによいでしょう。
そして、「継続」ができることも自己管理能力です。自身が実践できる目標を設定し、継続していきましょう。
トップレベルの選手が取り組んでいること
世界では、リオデジャネイロ五輪が開催されています。海外で活躍する代表選手は、「いつ、どこでも、何でも食べることができる選手」となれるよう、食事についてもトレーニングを行っています。食事量や調理方法を理解できるようになるために、食事トレーニングの一環として、調理実習や、バイキング形式の食事提供により、食事の調整力を高めるといった取り組みも行われています。こういった食事のトレーニングの成果も大舞台で発揮できるよう、応援したいですね。
参考文献:(財)日本体育協会スポーツ医・科学専門委員会監修
アスリートのための栄養・食事ガイド、第一出版(東京)、2010
スタミナアップそうめん
・豚もも肉 薄切り 3枚
・塩こしょう
・そうめん 1束
・なす 1/2本
・オクラ 1本
・ミニトマト 1個
・大葉 5枚
・いりごま 小さじ1
・にんにく 1/2片
・ポン酢 50cc
作り方
1. 豚もも肉を2等分に切り、塩こしょうで下味をする
2. 沸騰湯で豚肉を茹でる
3. なすは縦に細切りにする
4. 沸騰湯で3のなす、オクラを2分ほど茹でる
5. 大葉は細切りし、にんにくはすりおろす
6. ボールに5の大葉とにんにく、いりごま、ポン酢を入れて混ぜ合わせる
7. 沸騰湯でそうめんを茹で、6と合わせる
8. 茹でたオクラを小口切りにし、お皿に盛り付けたら完成!
切る・茹でるだけで、短時間で作れる簡単な料理です。夏休み期間中、自分で食事の準備をしてみましょう!そうめんと一緒に豚肉・にんにく・大葉を使うことで疲労回復に。
あさりと厚揚げのXO醤炒め
・あさり(むき身) 40g
・厚揚げ 1/2枚
・ズッキーニ 1本
・玉ねぎ 1/2個
・パプリカ 1/2個
・油 小さじ1
・塩 小さじ1/2
(A) 酒 大さじ1
XO醤 小さじ2
豆板醤 小さじ1/2
作り方
1. 厚揚げは横に2等分にし、薄切りにする
2. ズッキーニ、玉ねぎは薄切りに、パプリカは1口大に切る
3. (A)の調味料を合わせる
4. フライパンに油をしき温め、玉ねぎ、ズッキーニ、パプリカを炒める
5. 玉ねぎがしんなりしたら、厚揚げ、あさり、塩を加えさらに炒める
6. 3の調味料を加えて味を調え、器に盛り付けたら完成!
レバーが苦手な選手は、あさりや厚揚げを使うことで鉄補給(貧血の予防・改善)をはかりましょう。あさりは冷凍を使用してもOKです。野菜は小松菜を使用するとさらに鉄補給に。食欲が落ちやすいこの時期は「辛い」味付けでごはんがすすみます!