ディスパッチクレーマーレポートケア編(2012年10月号)
質問者:大学生 長距離 女性
- 膝がしばらく痛いです。走れないわけではないのですが、ケガだとしたらどんなケガが考えられますか?
- 膝はケガが起きやすい部位です。ご質問から想像するに、膝の慢性障害かと思いますが、実際に見て確認しているわけではないので断定することは難しく一般論として膝の慢性障害の代表例をご紹介します。
ジャンパー膝(図1-①参照)
非常によく見られる慢性障害の1つです。膝蓋靱帯(しつがいじんたい)の炎症が原因で、膝蓋骨(しつがいこつ)の下に痛みが出ることが多い障害です。ジャンプ動作を繰り返す競技に多く見られることからジャンパー膝と言われています。
オスグッド・シュラッター病(図1-②参照)
成長期によく見られる慢性障害です。膝蓋靱帯が付着部である脛骨粗面(けいこつそめん)の軟骨面を引っ張り、そこが徐々に隆起し痛みを伴います。
鵞足炎(がそくえん)(図1-③参照)
脛骨の内側に縫工筋(ほうこうきん)、薄筋(はっきん)、半腱様筋(はんけんようきん)という3つの筋肉の腱が付着しています。その形がガチョウの足のように見えることから鵞足と呼ばれ、炎症が起きやすい部位の1つです。サッカー選手や長距離選手などでよく見られます。
腸脛靱帯炎(ちょうけいじんたいえん)(図1-④参照)
非常に長い腸脛靱帯が大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか)上を通るところは、摩擦により炎症が起きやすい部位です。長距離選手や自転車競技選手などによく見られます。
これらが代表的な膝の慢性障害の一例ですが、その他にもより重篤な障害が隠れているかもしれません。症状の悪化や改善が見られない場合は医療機関を受診し、適切な処置を受けることをお勧めします。