日本の陸上短距離界は男子100mで9秒台に突入し、日本人選手の世界での活躍が期待されています。速く走るために必要な事を考えると、瞬発力・筋力・柔軟性や巧緻性こうちせいなどの体力要素(ディスパッチVol.115 2016.11月号参照)が挙げられますが、それだけを強化しても基本技術が伴わなければ速く走る事はできません。体力要素と同時に、走るための基本技術を高めていく必要があります。これは短距離だけではなく長距離も、陸上競技だけではなく他のスポーツでも共通して言える事です。ただがむしゃらに走るのではなく、重心移動を意識した効率の良い走りを覚える事が「ボールに速く追いつく」「相手を振り切る」「1塁までのタイムが上がる」「走り負けない」秘訣になるかもしれません。この夏、走り方を改善し、秋の飛躍に向けた取り組みをしていきましょう。

目次
スプリントドリルを行うその前に意識したいポイント!
マイクロハードル/スティックラダーを使って、スプリントドリルをやってみよう!

スプリントドリルを行うその前に意識したいポイント!

ポイント1
単純だけど…実は難しい 真っ直ぐ立つ事を習得しよう!!

走る時には特に正しい姿勢を意識する事がポイントです。基本姿勢が崩れていると、次のステップとなる歩行動作→走動作に繋がりません。この後紹介するスプリントドリルでもただ形だけ行うのではなく、正しい姿勢と重心の位置を意識して行う事で効果がより高くなります。


ポイント2
脚は上げるのではなく「下ろす!!」 切り替え動作のポイントを理解しよう

速く走るポイントを脚を高く上げる事だと思っていませんか?
上げる事ではなく、「下ろす」事を意識してみましょう。

接地の瞬間、支持脚で支持するのと同時に逆脚が前に引き出されてくる。左右の脚を連動させてこの動作を繰り返します。

マイクロハードル/スティックラダーを使って、スプリントドリルをやってみよう!

①ラテラルハイニー
ハードル間をラテラル(横方向)で進みます。速く正確にリズムよく脚を切り替えましょう。横方向への移動は重心をより意識する必要があります。これが習得できれば、前方への移動でもスムーズに重心移動が行えます。


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②ハイニー
ハードル間を前方向へ進みます。
ラテラルよりも進むスピードが上がるため、正確で速い脚のさばきが求められます。


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③走り抜けスプリント(スタート)
 3足長→4足長→5足長→6足長

スティックの間隔が1足長ずつ伸びていきます。
スタンディング状態を作り、スタートからの前傾姿勢を保ちながら、徐々に加速をしていきます。
スタート時にオーバーストライドにならないように注意しましょう。


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④走り抜けスプリント(加速)
 10m〜15m加速→スティック7〜10台

スタートから加速をして一定の間隔に置かれたスティック間を走ります。
スティックの間隔は自分に合わせて調整しましょう。
間隔が広すぎる事でオーバーストライドになったり、狭すぎてブレーキ動作になる事は減速の原因です。


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vol137 ディスパッチ
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