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■食べ物をのどに詰まらせてしまったら・・・!
食べ物や異物をのどに詰まらせてしまう事故が時期に関係なく起きており、中には死亡するケースもあります。こうした緊急事態での対処法を紹介します。この様な痛ましい事故を防ぐことが一番ですが、もしも起こってしまった場合、その場にいる人がその場で、できる限りの処置を行い最悪の事態を免れる事が大切だと思います。
■食べ物などによる気道閉塞と異物除去法
声が出せない場合、また呼吸音が聞こえても、ゴロゴロ・ヒューヒューといった音がする場合は、異物などによる気道の詰まりが考えられます。食べ物、吐きだした物、血液などがのどにあり、自分で吐きだすことができない場合は他者によって異物を取り出すことを試みます。
いくつか方法はありますが、ここでは(1)指交差法による開口と指拭法、(2)上腹部圧迫法(ハイムリック法)の2つの方法を紹介します。
■(1)指交差法による開口と指拭法
指交差法による開口は図1のように親指を上歯に、人差指を下歯にあてて指をひねるようにして口を開かせます。口の中や奥をのぞき込み、異物があれば図2の様に顔を横に向け、指交差法で口を開けさせ、もう片方の人差指にガーゼやハンカチなどを巻いて異物を取りだします。これを指拭法と言います。
■(2)上腹部圧迫法(ハイムリック法)
識のある場合に気道内の異物を取りだす方法です。救助者は傷病者の後ろにまわり、片方の手で握りこぶしを作ってわきの下から親指側をみぞおちの少し下方に当てます(図3)。もう一方の手でその握りこぶしを握り(図4参照)、すばやく内上方に向かって引き上げるように圧迫します。1回の圧迫をすばやくひと息に行ない、だらだらと連続しないようにしましょう。
立位の場合は救助者は傷病者が後ろに倒れてきても受け止められるように、安定した体勢で(足を前後させるなど)行ないましょう。(図5)
座位の場合は、傷病者が前方に両脚を伸ばす長座の姿勢になり、救助者がひざまずいて後方から行ないます。
参照:「指導者のための救急蘇生法の指針」心肺蘇生法委員会編
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