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■シリーズ:トレーナーって何?
その3
悪戦苦闘しながらも自主的活動で力をつけ
学生トレーナー活動を推進する中京大学のCATT
体育系の大学には熱心にトレーナー活動を学び、実践している学生が多い。中京大学もそうした活動が実践されている大学の一つだ。彼らの活動を通
して、トレーナーのなすべき役割を考えてみよう。
■学内に保健センターとフィットネスプラザ
中京大学には、学内に保健センターとフィットネスプラザを持つという、恵まれた一面 がある。
保健センターは基本的には全学の健康管理を行なうところであるが、月、火、木、金の4日間は9時から12時まで、整形外科のドクターの診察を受けることができる。特に週に1回は9時から午後1時まで、スポーツドクターと内科のドクターが運動部員を中心にした診察を行なっている。
こうした機会を利用して運動部員は積極的に施設を利用している。学生トレーナーはその際、選手の診察に付き添い、ドクターに傷害の状況、経過を説明したり、ドクターの指示を受けてその後のリハビリの補助に役立てたりしている。
フィットネスプラザはマシンやスタジオを備えた、いわゆるトレーニングセンター的な機能の施設で、外部の派遣スタッフが常駐している。選手はここで専門知識のある指導者のトレーニング指導を受けることができる。プラザの指導者は多くの学生をそれぞれ個別
にじっくり見ていくことが難しいので、基本的なポイントを示すことが中心になり、学生トレーナーはそれを継続して個別 指導に移していく場合が多い。指導者と選手の良き橋渡し役となって、リハビリトレーニングの推進に助力しているのである。
■4つの活動を展開しながら環境を整備
中京大学の学生トレーナーは、中京大学アスレティックトレーナーチーム(CATTと略)を組織し、積極的にトレーナー活動を推進している。CATTの活動は、現在次にあげるように4つある。
- 自分の所属する運動部内でのトレーナー活動。学内のフィットネスプラザで、専門の指導者の指導を受けながらのトレーニング指導。
- 週1回の学生トレーナーどうしのミーティング(夜間)を通 じ、各運動部で生じている問題の話し合い、および必要な知識、技術に関する情報の交換。
- 週1回、勉強会の開催し、これからトレーナーの知識、技術を身につけたいと考えている新入生、選手などに必要な情報を提供。
- 学内全体にスポーツ医学・科学の知識を普及させ、スポーツ傷・障害の予防を推進するための、外部講師を招いた年2回の講習会の開催。
■より人数を増やして充実した活動を目指す
現在CATTのメンバーは約20人。運動部員の規模からすると少なすぎる数である。CATTは学生による自主的な発足からまだ5年で、歴史が浅いという点もあり人数不足もやむを得ないが、今後、メンバーを増やして各部に1名ずつトレーナーが担当できることを目指している。現在、CATTに所属せず、各部でトレーナー的活動を行なっている学生もいるようであるが、それらの人材も統合して、全体的なレベルアップを図ことが課題である。現在、CATTと密な関係にある運動部はまだ全体の2割程度なので、これから、どのように組織を整備していくかが重要である。
現在はCATTのメンバーの絶対数が少ないために、フィットネスプラザで基礎的なリハビリを行なえても、各競技に特化したり・コンディショニングが個別に十分に行なえない場合も少なくない。しかし、学内に保健センターとフィットネスプラザを持つという恵まれた環境下、意識の高い学生たちによって、充実したトレーナー活動が進められている。
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